火縄銃に種類があるって知ってる?種類別の特徴を解説

上田真田まつりで行われる「全国鉄砲演武大会」では「火縄銃」が使用されていて、大迫力を楽しめると評判を集めています。
そんな火縄銃には種類があることをご存知でしょうか?
今回は、火縄銃の種類別の特徴をわかりやすく解説します。

 

火縄銃とは?

火縄銃は、銃身の内部に旋条がない滑腔銃身の銃で、黒色火薬の燃焼を使って弾丸を発射する武器を指します。
15世紀前半にヨーロッパで開発されて、ドイツやオーストラリアで発展した歴史があります。

日本には種子島に伝来

ポルトガルの承認が種子島に火縄銃を持ち込んだことがきっかけで日本に火縄銃が広ろがったと言われています。
しかし、中国や東南アジアにも伝播していたことから、倭寇により日本に火縄銃が持ち込まれた説もあるようです。
どちらにせよ、16世紀の半ば頃には火縄銃が日本に流入していたことは間違いと言われています。

複製に成功したことにより鉄砲の所有数が世界一に

種子島に持ち込まれた火縄銃のうち1挺は、薩摩藩を経て当時の将軍足利義晴に献上されました。
足利義晴は、近江の国友の刀鍛冶に火縄銃の複製を命じて国産に成功します。
さらに、織田信長により火縄銃が戦場で使用されるようになったことなどから、日本中で火縄銃の生産が活発になりました。
その結果、日本は鉄砲保有国世界一になります。
実際に国友の他にも大阪の堺や和歌山の雑賀など、火縄銃の生産が盛んに行われていた記録が残る地域も数多くあります。

 

火縄銃の種類

日本中で生産されていた火縄銃にはさまざまな種類が存在します。
筒状の形状から「生産された地域名+筒」という名称で種類が分けられています。
当時はすべて手作りで再三されていたこともあり、ほとんどの火縄銃は互換性がないという特徴があります。
特に有名な火縄銃の種類は以下のとおりです。

有名な火縄銃の種類

  • 国友筒
  • 境筒
  • 薩摩筒
  • 仙台筒

それでは各火縄銃の種類別の特徴を解説していきましょう。

国友筒

数多くある火縄銃の中でも特に生産数が多いと言われているのが「国友筒」です。
銃床尾が平らになっている二重ゼンマイカラクリが採用されているものが多く、木の木目を奇麗に出している点も特徴です。

境筒

国友筒と同様に生産数がトップクラスで日本中に普及していたのが「境筒」です。
現存する火縄銃の約1/4が境筒の系譜とも言われています。
機能性よりも装飾を重視した種類が多く、見た目にも美しいのが特徴的。

薩摩筒

ポルトガルから伝来した火縄銃の形状を最も踏襲していると言われているのが「薩摩筒」です。
全長116cm、口径六匁(1・6mm弱)が薩摩筒の特徴です。
カラクリに巻きバネを使用した小型の火縄銃で火挟みが極端に小型のものもあります。

仙台筒

東北地方で生産されていた「仙台筒」は、銃身が2つの目釘で銃床に固定されているのが特徴的な火縄銃です。
照星が谷型、引き金は透かし型、外記カラクリなど複雑な機能を備えていて、短筒から十匁まで、さまざまなサイズの火縄銃が生産されていました。

 

火縄銃は気軽に見学できる日本の歴史!

実は、火縄銃はさまざまな地域で展示されています。
日本に最初に伝わった種子島にある種子島開発総合センター(鉄砲館)では1543年種子島に伝わったポルトガル銃や国産第1号銃を間近で見ることができます。
さらに、国内で初めて複製に成功した滋賀県長浜市国友には火縄銃専門のミュージアム国友鉄砲ミュージアムがあり、火縄銃の歴史や鍛冶の様子を学べます。
実際にどちらの施設にも行きましたが、それぞれ違った火縄銃の魅力を知ることができる素晴らしい施設でした。
火縄銃に興味がある方は、ぜひ一度訪れてみてください。

 

まとめ

今回は、上田真田まつりにも縁のある「火縄銃」の種類や特徴を紹介しました。
もちろん、火縄銃に詳しくなくても鉄砲演武を楽しむことはできます。
ですが、火縄銃の歴史や種類を知ることでさらに楽しめるようになります。
上田真田まつりに訪れる際は、ぜひ火縄銃の歴史や特徴を調べてみてください。